高月病院/東京・八王子

  • 高月病院では週一回、主にアルコール依存症の入院患者対象のTA/SSTプログラムを担当しています。

    ■担当講師:羽地、太田、村上、高橋、筒井

 

TA(交流分析)

Transactional Analysis

自己理解を深め、自律性を高める為の心理学
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目的

・自己を見つめ、自己理解を深める
・他者とのかかわり、協力し合う関係づくり、相手を理解することを学ぶ
・上記1、2を通して、自分の抱えているアルコールの問題の根底にあるものに気づき、それが自分の生き方に根ざしていることを理解する

 

実施内容

メンバーの理解力、対人能力、自己課題に対する認知度などにより、様々なプログラムを実施している。メンバーが自発的、肯定的に参加するために、わきあいあいとした雰囲気づくりと自律性自主性を育むことを心がけている。

 

これまでの実施プログラム

性格の自己分析
 心の栄養(ストローク)
 自分の生きがい、やりがいを探る
 ライフライン(自己の人生、生き方を振り返る)
 ストレスマネジメント
 価値観の明確化(自分が大切にしている5つのもの)
コラージュ
テーマを決めた作品づくり(恊働作業の経験)
 生育歴を振り返る
 父親、母親から受けた影響を振り返る
家族、お世話になった人への手紙(年賀状、季節の手紙 等)
自分がどん底だった経験
酒と無縁の豊かな毎日を考える
これからの夢、目標を考える
俳句づくり
写真を使って自己表現
文集づくり
 プレイバック・シアター

 

SST(社会生活技能訓練)

=Social Skills Training

対人能力、コミュニケーションスキル、社会で生き抜くスキルを高めるトレーニング

 

目的

1.退院後の人間関係、および社会生活を送る上での必要な対人能力を身に付ける

2.自分自身の課題や無意識に陥ってしまうパターンに気づく

3.これまでは出来なかったこと、言えなかったことができるようになることで、自己肯

  定感を育む、自信をつける

上記の為に全員で取り組む課題の設定を行い、ロールプレイを使って練習する。また、個々の具体的な課題を出し合い、メンバーが協力し合って取り組む。

 

これまでの実施テーマ

冠婚葬祭の場でのお酒の断り方
■ 年始年末帰省する際のお酒の断り方、外出外泊の際のお酒の断り方
■ 退院して、友人に「お酒を飲みにいこう」と言われた際の断わり方
■ 試飲を街中で勧められた時の断り方
■ 新聞を勧誘され、断りたい時の断り方
■ ひとりで酒が飲みたくなったときの対処の仕方
■ アルコール依存症を説明する(家族、友人、職場の人 等に対して)
 休職していた職場に復帰する歳の上司(仲間)に対するあいさつの仕方
■ 初めての場(AA、寮、職場、サークル 自助グループ 等)での自己紹介
■ 部屋を借りる際の不動産屋との交渉の仕方
■ ハローワークで仕事を探す場面での要望を伝える、受け答え
■ 入院中のトラブルを回避するためのコミュニケーション
■ カチンときたとき、腹が立った時に気持ちを上手に伝える
■ 主治医、医療スタッフに伝えたいことを伝える
■ お金、タバコ等を「貸してくれないか」の申し出を断る
■ お世話になった人、迷惑かけた人へ伝えたいことを伝える
■ 退院後の家族との話し合い
■ 退院に向けて向き合わないといけない人との対話(妻、夫、子供、親、友人 等)
■ 退院する際のこれからの生活についての抱負を語る

 

 

 

治療に一番効くのは、断酒を続けて退院後も元気な姿を通院されている先輩方の姿でしょう。
退院後プログラムに顔を出してくれるたびに、スタッフもほっと嬉しい気持ちになります。