ABE(Arts Based Education)とは
ABE(Arts Based Education)とは
ABE(Arts Based Educations)とは、アートを使った教育のことです。
教育の場でアートの手法を用いることで、アートが持っている知恵や力を応用し、組織開発、人材育成、チームビルディングに活かします。
ABEが大切にしているもの
ABEは、アートの視点から「成長」や「学習」を新たに捉えなおそうとする試みでもあります。
そこでABEが大切にしているいくつかの要素があります。たとえば、
「クリティカル・ラーニング」……教えられたこと、当たり前とされていることに対して疑問を持ち、主体的に考えることができる
「ネガティブ・ケイパビリティ」……答えの出ない問題や状況でも、その場から逃げださず、そこに居とどまることができる
「エステティック・ディスタンス」……自分の経験や感情を客観的に振り返ることができる
など。「アートを使った教育」は、こういったアートで大切にされる要素を教育においても重要視するところから作られています。また、「アートを使った教育」の現場で起きるさまざまな経験から、これらの能力を学ぶことができます。
従来の教育では見過ごされがちだったこれらの要素が、これからの社会にとって必要であると私たちは考えています。
プレイバック・シアター研究所での実践
プレイバック・シアター研究所では、様々な形でABEを実践しています。
・ABE(Arts Based Educataion)研究会
ABE研究会は、これまでそれぞれアートを使った教育を実践してきた講師、オーハシヨースケ、岩橋由莉、羽地朝和の三名と共に、ABEを考え、実験的・体験的に探求するための研究会です。2017年に生まれ、第四クールに突入しています。(2019年現在)
ゲスト講師としてアーティストを招いたり、英語の論文を読んだり、参加者が実際にワークを作るプログラムを行ったりと、幅広く活動しています。
・企業研修での応用
プレイバック・シアター研究所の事業のひとつに企業研修があります。ここでも実際にABEを活用しています。
組織の課題発見や他者理解を促進し、生き生きとしたチームビルディングにつなげています。
実践事例
・整体院グループでの研修
整体院グループ企業にて、ひとりひとりが生き生きと持ち味を発揮するための研修を、ドラマ、朗読、プレイバック・シアターなどの手法を使って行いました。社員全員、及びトップを対象とし、全4回、それぞれ1ヶ月の間隔をあけて研修を実施しました。
研修前後には講師が研修参加者全員とインタビューを行い、ニーズの調査と効果測定を行いました。
・社会福祉法人での実践
中堅職員層を対象とし、異なる職種の人たちが一体感を持って利用者さまに良いよいサービスや対応を提供に向けて「チームワークとコミュニケーション」をテーマとしてアプライドドラマの手法を用いて体感的なプログラムを実施しました。
かちかち山を題材に、人間の立場からだけでなく、たぬきの目線から見て見たり、最良の解決策は何か、最良とは誰にとってなのかなど様々な観点から観てみたり、その時の気持ちややりとりを実際に演じてみたりしながら体感的に相手の立場に立ってみる、お互いにとって最良の解決策を見出し分かち合う感じ合う時間となりました。