組織開発や人材開発におけるアートの持つ可能性の大きさ

◾️ワークを通じて感じたこと

身体を動かす、腹から声を出す、思考することなく浮かんできたことをそのまま身体から出してみることの心地よさ。普段、このような状態をいかに制限しているか。

モヤモヤを言葉に表す時、きちんと形にしようとする意識が働くあまり、普段なら多くの時間を要することが、1分で語り1分で身体表現するとなると、意外とできてしまうことの驚き。言葉にできなくても、身体は知っている。言葉にできないでいるうちは、それは違和感となって感じられる。

ステージに立ってみんなからの賞賛を浴びる、そして感謝の気持ちを返す、そんなコミュニケーションを、たとえ想像による演技によって体感するだけでも、心の奥の感情が揺さぶられ、あたたかい、じんわりした感じが溢れて来た。それは、人がその人らしく生きる上で大切な活力だと強く実感した。忙しない日常生活の中では、いかにそのようなやり取りが不足しがちか、ちょっとしたストロークの大切さをあらためて感じた。

相手/社会/世界との関係について、自分を横から客観的に眺めることで、直面している課題が小さく感じられる。より大きな世界、もしくは、未来から、自分を振り返ることで、それが得られる。

アートは、そんな偉大な気づきや体感を短時間で成し遂げる威力がある。

別の観点からも一言。
アートによる人材開発の探求という、私にとっては、仕事の側面も持つ目的での参加だったが、その場その場での気づきは、職場での私自身にとどまらず、常に自分と家族との関係性へと立ち返るものだったし、そちらのほうが、私にとって、より大きなインパクトを持っていた。アートとは、仕事とプライベイトとの境界線が曖昧な問題、つまり、仕事のさらに奥にあるその人自身、価値観を扱うことに秀でているとも言えるかもしれない。

 

◾️運営について

4時間で、ヨースケさんとゆりさんのワークを行ったが、それぞれをもっと味わいたかった。

参加者それぞれがテーマに強い関心を持ち、オープンで、自ら意味付けできる人たちだったので、さらに場の効果が高まっていた。

三人の講師の自然体での運営が、場に安心感を与えていた。

 

(第1回参加 A・Fさん)